修道院

Author: wp29

修道院での生活

個人の隠修生活と共同生活を共存させようとする考え方は中世の新修道院形式においても見られる。その一つカルトジオ会修道院では、三つの生活区域が一つに統合されている。個室区域、共同体区域、世俗業務区域で、それらは回廊配設等、各部の決定づけられた平面計画によってうまく機能分離されている。この配置は極めて特異であり、修道生活の内容を想起させる平面形式であるが当時はそれが典型化していたという。ル・コルビュジエは1907年20才の時、ペランとともにイタリア各地を旅行した際、そのフィレンツェ近郊のカルトジオ会修道院(エマ)を訪れ感銘を受け、1911年にも再度立ち寄っている。

美しき修道院

それは生涯、修道院のみならず人間の共同生活の原像として深く心に焼つき、その記憶はこの設計の際にも蘇ってくるのである。ル・コルビュジエは人間的尺度の住戸に言及しながら《プレシジオン》の中で次のように語っている。「この研究の発端は1907年にフィレンツェ近郊のカルトジオ会エマ修道院を訪れたことから始まりました。トスカナ地方の旋律的風光の中に、丘に頂かれた冠の如き現代都市が望見されたのです。風景の中に誠に高雅なシルエットを見せて、修道僧達の僧房が延々と連なり冠状を成しています。各僧房は平野を望み、一段低い所にあって周囲を完全に囲われた小さな庭に面して開かれているのです。